ピ、ピ、ピ、ピピピピ、、、
「さくら〜起きなさ〜い!」
「あ、、と、、ちょっと〜」
「学校に遅れるわよ〜」
「ま、、だ、、大丈夫〜」
そう思って時計を見ると、なんと8時!?
急いで学校の準備をしてから朝ごはんを食べないで家を出た。
「あ〜もう!今日は大事な日なのに!」
そう!今日は敬と約束していた日。ずっとずっとこの日が来るのを楽しみにしてた。あれから1日だって敬を忘れたことはなかった。それぐらい私は敬のことが好きなんだと思う。
今日は学校が終わったら急いで電車に乗って京都のあの場所まで行ってくる。最初は間に合うか心配だったけど幸いなことに今日は午前授業だったから3時にはもう京都に着いてる予定。
子供の頃のあの日の敬を思い出してると、
「さくらおっはよ!!」
「ちょ美玲びっくりするじゃん!」
「ねぇねぇ、今日ってさあの約束の日なんでしょ?」
「そうだよ!ついに敬と会えるんだ〜!」
「でもさ10年前でしょ?敬くんが覚えてなかったらどうするの?」
「え?そりゃぁ、、、どうしよう。」
「会うのは良いけどちゃんと帰ってきてね〜。」
「わ、分かってるよ。」
そうか、敬が忘れてる場合もあるのか。でももし来なくてもこの気持ちは冷めることはないと思う。だって初恋だから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!