何気なくニコッと向けられたその笑顔にドキドキとうるさい心臓の音…。
目の前にいる先生のことを見るのが何だか恥ずかしくなって私は目を逸らした。
いつのまにかクラスで話し合いが進み
スローガンが決定した。
「1度しかない青春」か…。
勉強はもちろんのこと「恋」や「友情」も精一杯楽しむ。
そんな意味が込められていた。
まるで一生徒とかのようにワクワクしている阿部先生にクラスの女の子たちザワついているのが分かる。
「ねぇ、先生ってさ彼女の前でもそんなに可愛いのー?笑」
彼女というワードに無意識に反応してしまう。
そうか、そうだよね。
阿部先生優しいし可愛いし頭良いしモテるし彼女くらいいるよね。
「やば…。」
その答えにクラス中の女の子がやられたに違いない。案の定私もその中の1人で…。
それに気づいている先生はまたニコッとはにかんで軽く受け流していた。
「はーい。」
各々返事をした頃ちょうどチャイムが鳴った。
-キーンコーンカーンコーン🔔
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!