『さようなら。』
皆の声が、右耳に入り左耳からポタポタ落ちていく。
急いで青バックを抱え、長い廊下を走り抜け階段を上る。
着いた。
ここは、南校舎。
大嫌いなプールを無くすために、毎週水曜日この校舎でてるてる坊主さんにお願いをする。
阿呆って分かってるけど。
タタタ、トス、ガサゴトン
ドアを開け、ティッシュで素早くてるてる坊主さんを作る。
マッキーでお顔を書いて窓に飾って…
雨が降って悔しそうにするクラスの人達の顔を思い浮かべて、手をパンッと叩いた。
『君、何してんの…』
振り向いた目の前に、ハーフみたいな顔立ちをしている男の人が居た
《え、誰っすか。》
私のこの一言が、ぼろい教室にこだました気がした。
悲しそうな顔、。
ポツリポツリ、と恥ずかしすぎる話をした。
穴があったら入りたいくらいだ。
さりげなく呼び捨てにするマサイ……さん。
良い予感もするし。
悪い予感もしちゃって。
ただ、嫌ではない…!!!!
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おまけ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。