今は授業中。
たいくつな授業に思わず、
ふぁ〜と小さなアクビが出る。
太陽のひなたぼっこに、
ふと居眠りしてしまいそうで。
ほっぺたを強くつねる。
ちょっとつねり過ぎちゃったかも……??
一斉に『はーい』なんて素直な返事をするけど、
きっと自由時間になるんじゃないかな……。
ドアから先生が出て行ったのを確認すると。
前を向いてた生徒は、
後ろにくるっと体の向きを変えて
友達とお喋りタイム。
や、やっぱりねー……。
私はとくに話す子もいなく。
校庭でサッカーをしている男子を、
窓からぼーっとテキトーに観察していた。
__グサッ
突然、頭に走る痛み。
何か急に!!
頭に当たって痛いよ~!?
あわてて確認すると。
机のギリギリに置かれた紙の切れ端。
そっか!!
さっき頭に当たったのは、このメモだ。
誰のだろう??なんて考えながら、
とりあえず開いてみる。
“どこ見てんの。”
なんてクセのある字で書かれていた。
もしかしてこれー……。
たぶん、そうだ。
私も置いていたシャーペンを手に取り、
空いているスペースに返事を書く。
ちょっ!?ヒマって……!!
ほらぁー!!
後ろの俊を見ると、
フキゲンそうな顔で頬杖をついていた。
いや……。
そうなるのは、俊の態度が
原因だと思いますけどね~……。
*
チャイムが鳴って、
先生に頼まれたプリントを
俊と分けて持っていくことに。
教壇の上に、どっさりと積んである
プリントにあ然としてしまう。
わぁ……。
もっとフキゲン度が増した気が。
ただ、ぼーっと観察してただけなのにっ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。