私の名前は山本恵里香。
今年で高校3年生になります!!
いよいよ学校生活もクライマックス、
なーんて……
のんきに考えるヒマもなく、
となりの席の俊に
けわしい表情で話しかけられた。
彼の名前は渡辺俊。
女のコみたいにきれいな顔立ちをしている。
そんな彼から、去年の夏祭りで
告白を受けたときは正直驚いた。
一瞬も目をそらすことなく、
真剣な眼差しで
まっすぐに告白してくれた俊。
ヒューっと夜空に打ち上げられる花火とともに、
私の心臓もドキドキと高鳴っていた。
そう。
最初はまったく信じられなかった。
まさか俊が、私のことを恋愛として好きで
想ってくれているなんて……。
他にも笑顔が可愛い美人なコは、
たくさんいるはずなのに。
それでも私を選んでくれるなんて嬉しい。
私も俊が好きだから。
だけど……。
いいのかな、こんな私が
キラキラした世界の人を好きになっても。
こんなに幸せになってもいいのかなって。
“Yes”か“No”
告白の答えにとても迷った。
もし私が俊と付き合えば、
クラスの女のコ達は絶対に悲しむ。
もしかしたら、
嫌がらせを受けるかもしれない。
強くない私が、そんなことに耐えられるのかな……。
一体どうすればいいのでしょう、
……神様。
少し不安そうな声で聞いてくる俊。
私がすぐに返事をしないからだ。
……そうだよね。
勇気を出して告白してくれたんだ。
私もちゃんとまっすぐ俊に答えなきゃ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。