ぺけたんside
目が覚めると知らない部屋にいた
服も変わっていておでこに冷えピタが貼ってある
ここはどこなんだろう?
そう考えていると部屋に誰かが入ってきた
暗くて何も見えない
すると電気がつき、人影の正体を確認することができた
グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
僕のお腹の音が鳴り響いた
そう言ってダーマくんは部屋から出ていった
ふと、マサイくんが今何してるのか気になった
今の僕はマサイくんの隣にいちゃいけない
だから、ごめんね。。。
マサイside
ぺけが行きそうな所を手当り次第探してるけど一向に見つかる気配がない
病院の人の話だと指輪のことを少し話したって言っていた
もしぺけが俺との関係に気づいて悩んでいるとしたら。。。
ずっと一緒にいるって、1年前に約束したろ
そういえば、明日でプロポーズして1年になるのか
今年もまた夏祭りやってるといいな
そしたらまた2人で一緒に。。。
行ってもいいんだろうか
本当のことを言う勇気がなかったせいでぺけを傷つけたのに、俺にそんな資格があるのだろうか。。。
泣きそうになるのをぐっと抑えて、俺はまた走り出した
ダーマside
ご飯を用意してぺけの所に持っていく
そう言いながら体を起こし、ご飯を黙々と食べ始めた
可愛いな
そう思ってしまうのはやはり俺がぺけのことが好きということなのだろう
あいつらに嘘をついたことは悪いと思ってる
ごめんなマサイ、でも今だけでいい
こいつと2人きりにさせてくれ
そしたら俺は。。。
気づいたらぺけはご飯を一つ残さず食べ終えていた
お盆をさげてからまた部屋に行く
ぺけは黙って首を横に振った
ぺけの目から涙が溢れ出した
ぺけは優しいやつだ
自分より他人のことを考えてる
そんなぺけに俺は惚れたんだよな
ぺけが泣いているのを見ると自分の気持ちが抑えられなくなってくる
俺ならこいつを幸せにできるのに。。。
俺はぺけにキスをして、抱きしめた
想いを伝えた俺に対し、ぺけはただ黙って泣いていた
俺は、今だけでもぺけに甘えてもらえていることが嬉しかった
その日はぺけが泣き疲れて寝るまで抱きしめた
この時、10年の片想いが少し報われたような気がした
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。