誤解が解けた時透くんは、
わたしの手をにぎり返すと、
まっすぐこっちを見た。
わたしは、返事の代わりに
時透くんの胸に、おでこをくっつけた。
もー覚悟は決まってる。
時透くんの気持ち…
体全部で受け止めたいよ…。
***
時透くんの部屋に入ると、
二人で、時透くんのベッドに座った。
時透くんに耳元でささやかれて、
心臓がギュッとなった。
時透くんがわたしの腕を持って
ゆっくりベッドに押し倒す。
最初に時透くんの長い髪が…
次に、優しいキスが降ってきた。
時透くんの手が、
わたしの胸に乗っかっている。
すごく…震えている。
時透くんも、緊張してるんだ…。
時透くんの目…吸い込まれそう。
時透くんが服を脱がす手は、
一段とふるえていた。
わたしは反射的に
手で隠してしまう。
時透くんも、服を脱いだ。
時透くんが、わたしを見ている…。
静まれ…心臓。
筋肉質な、男らしい腕がせまる…。
時透くんは、わたしの胸に
口をつけて、手でもみ始めた。
荒い息づかいがもれてくる。
頭がしびれてどーにかなりそう…。
時透くんが、
わたしの大事なところを
そっと指で確認した。
時透くんが、後ろを向いて、
ごそごそと…ゴム…をつけた。
ーー ああ、ほんとに来るんだっ…
と思うと、
心臓がもう暴走寸前だった。
どこで買ったんだろ…
…とかなんか考えていると、
時透くんが腰を押しつけてきた。
…と同時に、ゆっくり…
わたしの中に入ってきた。
ゾクッとした甘いしびれが
全身を貫く。
ーー 時透くんと… つながった
時透くんが腰を動かすたびに、
熱い吐息が顔にかかる。
その吐息になんだか、
頭が真っ白になりそう。
時透くんは大きくひとつ息をすると、
そっと抜きとった。
汗でおでこに貼り付いた髪を
手でかきあげると、
わたしの横に、崩れるように寝ころんだ。
ぐいっと引き寄せられて、
くちびるが押し当てられた。
わたしたちは、もう1回つながった。
2回目はすごく優しく穏やかだった。
無一郎は、
本当に大事な宝物を扱うように、
何度も何度も抱きしめてくれた。
そして…
無一郎は、
使い終わったアレ…を、
たくさんのティッシュでまるめた。
そして、小さなビニール袋に入れて
かたーくしばると、
自分のカバンに突っ込んだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。