第30話

27話 もうすぐ夏休み
4,302
2020/06/20 11:00
時透くん目線です!
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AM5:00
RRRR…(目覚ましの音)

パチッ
時透無一郎
時透無一郎
んーっ もう朝か
煉獄先輩、気合入ってるから
早く行かないと
1学期が終わろうとしていた。

学校の気配は、夏休みへの期待に
さざめいていた。

***

剣道部。
夏の武道場は暑い。

パーン…バシィ…
煉獄杏寿廊
煉獄杏寿廊
よもや時透!
夏のインターハイも近い!
特別稽古をつけるぞ!!
時透無一郎
時透無一郎
煉獄先輩!!
ありがとうございます!!
インターハイは、高校生の
全国スポーツ選手権大会だ。

僕と煉獄先輩は出場が決まっている。
煉獄杏寿廊
煉獄杏寿廊
構えっ!
時透無一郎
時透無一郎
はい!
煉獄杏寿廊
煉獄杏寿廊
もっと脇をしめろ!
時透無一郎
時透無一郎
はいっ!!
煉獄杏寿廊
煉獄杏寿廊
よもやっ!!
胴ががら空きだぞ!
時透無一郎
時透無一郎
はいっっ!!!
大会ではライバルとなる僕に
こんなに指導してくれるなんて…。

面倒見がよくて、男らしくて、
僕もみんなも煉獄先輩が大好きだ。
冨岡義勇
冨岡義勇
煉獄先輩も時透も
気合じゅうぶんだな
ただでさえ暑い武道場だけど、
煉獄先輩が入ると、
5度くらい気温が上がる。
冨岡義勇
冨岡義勇
そして暑いな…
義勇は、全国への切符をかけた試合で
奇しくも煉獄先輩に当たり、
負けてしまったんだ。



***

朝練が終わり1-Aの教室。


みんなが登校する前の時間は
唯一、あなたと二人で話せる幸せな時間だ。
有沢(なまえ)
有沢あなた
時透くんおはよー
時透無一郎
時透無一郎
あなたおはよう(*^_^*)
有沢(なまえ)
有沢あなた
ふー
毎日暑いねぇ

朝練おつかれ!
あなたがパタパタと
ハンカチで僕をあおいでくれる。

ハンカチからほのかに
いい匂いがする…。

あなたの匂いだ。
時透無一郎
時透無一郎
ありがと…/////
有沢(なまえ)
有沢あなた
思えばさぁ、
いろんなことがあったね
時透無一郎
時透無一郎
僕も今、しみじみと
それを思っていたよ
1学期は本当にいろんなことがあった。

あなたに出会い、互いの本性を知った。
僕の扉を開けて、あなたが入ってきてくれた。

本当の僕を見つけ、連れ出してくれたんだ。

それにキス…もした。


有沢(なまえ)
有沢あなた
夏休みさ、
前に言ってた花火大会、
それにプールとかも行きたいなっ

禰豆子ちゃん達も誘ってさー!
時透無一郎
時透無一郎
それなんだけどさ…
有沢(なまえ)
有沢あなた
映画とかカラオケとかも
行きたいねっ
時透無一郎
時透無一郎
あなた…聞いて
有沢(なまえ)
有沢あなた
ん?
時透無一郎
時透無一郎
8月に大会があるんだ
剣道の…

インターハイに出るんだ
有沢(なまえ)
有沢あなた
えっ…インターハイ!?
時透無一郎
時透無一郎
うん
だからそのために
かなり稽古しなくちゃいけない
有沢(なまえ)
有沢あなた
すごいね…
やっぱり時透くん、すごいよ!
時透無一郎
時透無一郎
でね、合同合宿があるんだ

試合前と試合期間、
合わせて3週間近く
有沢(なまえ)
有沢あなた
さささ3週間っ!?
時透無一郎
時透無一郎
うん…

だからしばらく会えないんだ
有沢(なまえ)
有沢あなた
そっかぁ…

……。
時透無一郎
時透無一郎
ごめん
有沢(なまえ)
有沢あなた
なんでよ(*^_^*)

時透くんがそんな強いなんて
すごくうれしいよ

がんばってきてね!
時透無一郎
時透無一郎
あなた…

僕は会えなくて寂しい
有沢(なまえ)
有沢あなた
時透くん…

絶対勝ってきてね
時透無一郎
時透無一郎
わかった約束する

あなた…
毎日電話するからね
有沢(なまえ)
有沢あなた
うん…
あなたの目から、涙が落ちた。
時透無一郎
時透無一郎
…泣かないで
有沢(なまえ)
有沢あなた
…へへ
ちょっと会えないくらいで
ブルーになってちゃダメだねぇ
時透無一郎
時透無一郎
僕も同じだよ

ねぇ…ひざにおいでよ
有沢(なまえ)
有沢あなた
えっ…ひざっ!!??

学校だよっ!?
それに暑くない?/////
時透無一郎
時透無一郎
いーからあなた
有沢(なまえ)
有沢あなた
じゃあちょっとだけね/////
みんな来ちゃったら大変っ

ソッ
あなたの体は、
火がついたみたく熱かった。
有沢(なまえ)
有沢あなた
重くない?/////
時透無一郎
時透無一郎
重いよ
有沢(なまえ)
有沢あなた
えっ…降りるねっ/////
時透無一郎
時透無一郎
待ってちがうんだ

好きな人の感じ、好きな人の重さを
覚えておきたいんだ…/////
有沢(なまえ)
有沢あなた
うん…/////

時透くん…好きだよ/////
時透無一郎
時透無一郎
知ってる

(ひざが…/////
 学校じゃなかったら僕…)
有沢(なまえ)
有沢あなた
…/////
時透無一郎
時透無一郎
ねぇ
“無一郎”って呼んでみて
お願い…
有沢(なまえ)
有沢あなた
無一郎…
時透無一郎
時透無一郎
…やばい/////
想像以上だ


僕たちは、出会って初めて
別々の時を過ごす。

初めて思い知ることになる。
お互いがどれだけ特別かを…。



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