時透くんがどこにいるかわからない…。
晴れて気持ちがつながり、
“おつきあい”を始めたものの、
体育祭の実行委員で、
放課後は、超多忙を極めていた。
ホントなら、コーラのCMのごとく、
さわやかラブストーリーを
展開しているはずのわたしたちなのに…。
なぜこんなことに…。
ドドド…
「どいてどいてー、ロープロープ!」
「プログラム印刷まわすよー?」
「わーゴキブリっ!」
「コピー機ぶっ壊れたっ!」
「ミスプリントっ!?」
…。
ガラッ
誰もいない教室で、ちょっと休憩した。
ペタン
机に顔を乗っける。
会いたい…
そばにいたい…。
たった2カ月なのに、
こんなに好きになるなんて…。
***
そして…
ドドド…
カチャッ
2人で屋上に出た。
風が気持ちいい。
しーん…。
時透くんが行ってしまうと、
わたしは、フリーズして地面に座りこんだ。
ペタン
ずっと…一緒にいたいね。
時透くん。
体育祭の本番は、とてもよかった。
たたかう時透くんは、かっこよかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。