間もなく中間テストである。
なんとなく…
一番とって注目されたい…
というより、
“時透くんに勝ちたい”に
目的が変わっているような…。
***
そして…
「1学期 中間テスト上位成績者」
1位 1-A 有沢あなた 697点
2位 1-A 時透無一郎 691点
…
時透くんを抜きさえすれば
勝てるのかと…。
なんだろう、うれしくない。
考えれば分かったのに…。
成績や見栄にこだわっていたのは、
わたし一人で、
時透くんはそんなものにかまっていなかった。
下心なくても人に認められている
ホンモノだから…。
「ホンモノ」とあまりに違う自分が…。
さもいい人げにふるまって
皆をだましてきたっていうのは…
自分を実際以上に見せかけて…
なんてバカなのだ。
***
次の日。
だったらぎりぎりに登校すればいいのに
習慣で朝イチに来ちゃった。
ガラッ
ドンッ!
ガシッ
時透くんが、わたしの腕をつかんだ。
突然の…
告白だった…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。