“キキーッ”
車が止まった。
そこは···水族館。
水族館は私がすごく好きな場所だった。
昔グクとのデートにもよく来てたね···。
車のドアを開けるグク。
私もグクもアイドル。
ファンにバレてはいけない。
だからきちんとバレない変装をして水族館に入った。
嘘。
本当はグクの言ってた事、はっきり聞こえてた。
聞こえてない振りしただけ。
私だってずっと変わりたくなかったんだよ?
それからも色んな魚たちを見ては2人ではしゃいだ。
気付く人がいなかったからこそ、楽しめたのかもㅋㅋ
そしてクラゲを見に行こうとして廊下を歩いてる。
そして今、私はふと思った。
私たちはお互い顔を見合わせる。
2人で小さく笑った。
ファンにバレないように。
静かに_。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。