_論side_
僕が言葉を発した瞬間、
クラスの奴ら全員が黙り始めた。
普段あんなに騒いで、
都合の悪いときだけ黙り込むの?
ふざけてんのかよ。
だから人間は嫌いなんだよ…
ここで僕がちゃんとしないと、
またあの"恐怖の光景"を目に写すことになるのではないかと、凄く不安になる…
"あの日"みたいな光景を見るのはもう嫌だ…
僕は"睨み付ける"ような視線で皆に向かって話した。
なに怯えてんの?
怖い思いをしてるのはあなたの方だよ。
僕が話すのを終えた後、あなたのことを馬鹿にしてた奴らはその場を離れ、あなたに謝りに行っていた。
モブ[あなたちゃんごめん…あんな言い方ないよね…]
モブ[許されないことは分かってる。でも…謝罪だけはさせて?本当にすみませんでした…]
モブ[はい!!]
あなたは優しいからああやって許してるけど、
僕は二度と許さないから。
と思いながら少し周りを見てみると、
三里が"悔しそうな顔"をしている光景が、
僕の目にはっきりと写りこんできた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。