_論side_
僕はずっと三里に嫉妬していた。
何であなたといい感じになってるの…
僕という奴は自分でアピールすると決めたのに…
結局は三里に負けている。
いつも良いところを取られてばかりだ。
だから僕は毎回悔しい思いをしていた。
もうこんな感情抱きたくないよ…
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_あなたside_
論、こんな所に連れてきて何をするつもりだろう。
この場所に着いてからは、
私達2人とも"沈黙の時間"が続いていた。
この状態…どうすればいいの!?
すると論が口を開いた。
私はつい先ほどの光景を思い出した。
三里に予想外の言葉を言われて恥ずかしくなり、それを誤魔化すのに必死で論のことを気にしていなかった。
論も話に混ざりたかったのだろう…
私…自分で約束したのに、
何で直ぐに破ってしまったのだろう…
論に酷いことをしてしまった。
論は凄く悲しそうな顔をしていた。
もうこれで論との関係は終わりなのかな…?
幼馴染みの関係、呆気なく終わっちゃったな…
え…… どういうこと……?
すると論は少しずつ私に近づいてきた。
そして遂には……
"お互いの唇が触れそうな距離になっていた"
え!?待っt…
そう考えているうちに………
"私と論の唇は重なっていた"
"人目にあまりつかないような桜の木の下で"
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!