_あなたside_
昼食の時間が終わり、午後の授業に入りました。
退屈だなぁ… 早く帰りたい。
すると…
(トントン)
ん? 何だろう…
三里に肩を叩かれたので、私は後ろを振り返った。
と言われ、三里に小さいメモ帳の紙を渡された。
なるほどね~
紙にメッセージを書いて交換するやつか。
三里って見た目はカッコよくて、"頼れる先輩"って感じするけど、案外こういう可愛い事するんだなw
紙を見てみると、既にメッセージが書かれていた。
それは草。魔術はヤバすぎだろw
そして私が返事を書こうとしたら、
今度は論に肩を叩かれた。
怖いよ~
授業が始まる前はいい感じだったじゃんか!!
私は論が見るからに"不機嫌"そうだったので、
しょうがなく紙を渡した。
すると……
(ビリビリ)
いや、お前そんな"真面目な奴"じゃないだろ。
三里…すまん。
_論side_
悔しかった…
三里にあなたを"独占"されてる感じで。
あなたは僕と話してくれるようになったけど、
ほとんどは三里とばかり話してた。
僕なんかが入る隙間なんてないじゃん…
ついさっきやってた手紙交換もそうだった。
僕なんかあなたとああいう事ができる
"身分"に全然なれてないのに…
僕、本気出さないとダメだよね。
"花見"のときくらい、アピールしても良いかな…?
あなた…待っててね。
昔みたいにドキドキさせるから…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。