_あなたside_
教室に辿り着き、
ドアを開けて三里と中へ入っていった。
今日はいつもより早く来たし、
まだこの時間帯はあまり人がきていないみたいだ。
私は自分の机に行き、
荷物を置いて隣の席を見てみると…
論が足を組んだ状態で座っていた。
頬に手なんか添えちゃって、
退屈そうにしてるなぁ…
論は私や三里以外の人とは絶対に関わらないからね。
しかも"不良"だからクラスのほとんどの人が怖い印象持っちゃって近づこうとしないし、
色々と大変だよね~…
と思っていると…
モブ [おい莉夢ちゃんが来たぞ。結構早く来る子なんだな~]
モブ [いつか一緒に登校してみてぇな~]
モブ [その意見に私も同感だわ。]
どうやら莉夢ちゃんが来たらしく、
クラスの人達がそれぞれ話し始めた。
相変わらず人気ですな~
モブ [莉夢ちゃんおはよう!]
モブ [あ…!私も! 莉夢ちゃんおはよ~!]
はい今日一番の天使の微笑み頂きました。
なんか三里は態度が冷たいし、
論はなんて失礼なことを言ってるんだ…!
私は論に突然大声で話しかけられて、
全く状況が理解できなかった。
三里も論と同じ意見か…
もうどうすれば良いのか分かんないよ…
無事に渡せて良かった~…
と安心していると…
という論の呟きが聞こえてきた。
論にも早く渡してあげないとだよね…
ん…? でもさっき普通に話せたし、
今渡せるんじゃないか…?
🔔キーンコーンカーンコーン🎵
いやタイミング悪すぎだろ!!
私達が話している間に結構時間が経ってたんだ…
そしてチャイムの合図と共に、
先生が教室の中へと入ってきた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。