_あなたside_
私達が帰り道を歩いている中、
綺麗な夕日が差し掛かろうとしていた。
長い時間歩いていき、
遂に私達がいつも通る通学路までやって来た。
もう一日が終わろうとしているのか…
早いな…
何か"花見"の時も同じようなこと言って
私のことドキドキさせたよね…?
三里はそういうのが上手いんだよなぁ…
と言って三里は私に小さめの袋を渡してきた。
私と同じでアクセサリー系なのかな…?
そして私は丁寧に袋を開けた。
袋から取り出して出てきた物の正体は…
綺麗な"ブレスレット"だった。
すると三里はしばらく間を空けてから口を開いた。
いつも一緒にいてほしいっていう意味はまだ理解できるけど、
相手を独占したいってどういうこと…!?//
でもきっと…
三里は"友達"として一緒にいてほしいって意味でプレゼントしてくれたんだよね?
うん。
私が鈍感…? 自分ではあまり分からないけどな…
と私が返事をすると、
三里は別れ道を急ぎ足で帰っていった。
三里さん、最近"落ち着き"というものを忘れておるぞ…
にしても、今日は良い一日だったなぁ…
また1つ、"思い出に残る大切な日"が増えたよ。
三里と出掛けるのは初めてだったけど、
やっぱり予想通り楽しかったなぁ…
次は論とか…
一緒に出掛けるのなんて、中学の時以来だな。
まぁ今は論が"不良"になっちゃったから、
一緒に休日を過ごしたりすることなんて失くなっちゃったんだけどね。
何か無事でいられるか不安になってきたんだが…
でも最近論も変わってきたし、
"怖いだけの人間"じゃないって事が分かってきたしな。
だから少しくらいは、期待しても良いですか…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。