必死に追いかけて
追いついたけど
今日シルクがあーだとか
ぺけとあれしたとか
ダーマが面白かったとか
そんな話ばかりで
わたしを好きだという話は
一切広がらなかった
もう家だ
じゃ、またな!
このまま
別れるの嫌だなって
ふてくされたら
ちょっと!
普通に顔に出すぎー!
って
ものすごい笑われた
だって…
何か言おうとしても
モトキくんは
相変わらず笑ってた
なんかもう
余裕のある
モトキくんにもイライラするし
うじうじしてる
自分も嫌になってきて
ねぇ!じゃぁ
好きと好きで、いいよね?
モトキくんの
笑い声を消すように
強めに叫んだ
モトキくんは
ピタッと笑うのをやめて
しーんとなって
あ、
俺のこと好きなの?
って
モトキくんは言った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!