で、付き合ってるの?
次の日教室で
親友のアスカに話すと
一言目がその言葉だった
わたしの前の席に座り
向かい合わせで
ポッキーをポリポリ食べながら
話を聞いてくれた
いや…付き合っては、ない
なんで?
いや、なんで?って…
付き合おうって言う
話にはならなかったから
なんだそれ(笑)
だってぇ〜…
はぁーっとため息をついて
机に顔を伏せた
じゃぁ、あたし行くわ!
頭の上で急に早口で喋り
ガタガタと椅子を鳴らして
アスカはどこかに行ってしまった
むくっと体を起こすと
さっきまで目の前にいたアスカが
モトキくんに代わっていた
うわぁぁ!
びっくりして叫ぶと
おはよ!って言いながら
ポッキーをポリポリ食べていた
昨日の今日で
どうすればいいのか
わからず
とりあえず
目だけは合わせないようにした
アスカは
モトキくんが来るのわかって
いなくなったんだと理解した
…やられた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!