背中にはずっしりと重みが増し、空もオレンジに染まりつつあった。
草むらの小さな丘を下り、街へとかける。
タッタッタッ←走る音
街中の大通りに出ると、果物屋のジルソンさん、通称ジルさんに呼び止められた。
ジルさんが腰に手をあて、ニカッっと笑う。
ジルさんが早速見繕う。
ああそういえば。
つい4日前、ジルさんが急にお腹痛くなっちゃって変わったんだっけ?そんなお礼を言われる程の事でもないと思うけどなあ…
ぼーとしていたら、向かいのアンおばさんにも呼び止められた。
私、前世で何成し遂げたんだろう……?
【少し離れた所にて】
【もとに戻る】
なんでだろう?お返しするのって当たり前だよね?
みんな何か言いたげだけど……まあいいか!
ドオオオオオオオオオオオン!!
ビリビリッ
突然、地響きがなり、その衝撃で私はおもわずバランスを崩した。
空気が震えるのを感じる。
アンおばさんが空を見上げ、驚愕の表情を見せた。
何やら煙が立ち上がり、まるで街を包むような"壁"に大きな手がかけられていた。
あまりにも平和過ぎてその存在を忘れていた。
私達は"支配"されていたんだ。
鳥籠の中に"囚われて"いたんだ。
そう………
と呼ばれる、ヤツらによって__________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。