狗 巻 棘 side 𓂃 🍙
日差しが気持ちいい昼下がり。
俺は、一人散歩をしていた。
今日は、暑くも寒くもない丁度良い気温。
散歩するのに打って付けだ。
ルンルン気分で散歩を楽しんでいると、石段に座っているあなたを見つけた。
自然に胸が弾む。
「 こんぶ〜!!」と、声を掛けてみたが、返事はなかった。
それどころか、振り向きすらしない。
「 聞こえなかったのかな… 」と思いながらあなたに近づく。
そこには、寝息を立てながら寝ているあなたの姿があった。
試しに声を掛けてみるが、反応はなし。
完全に寝てるみたいだ。
手を伸ばして、あなたの頬に触れる。
可愛い…
まるで、天使みたいだ
初めて口にしたこの言葉。
きっと今の俺は、林檎よりも真っ赤になってると思う。
誰か来る前に、早く逃げなちゃ…
と、急いでその場を後にした。
でも相変わらず、顔は真っ赤なままだ。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
……To be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!