~朝~
え、カイくんと離れちゃうじゃん
ちらっと横を見るとカイくんも少し不満そうな顔をしていた。
え、独り言聞こえてた?!
フフっと笑ってきた顔を見つめてしまう。
2人ともくじを引いていく。
うちの先生のくじは番号を席にさらにくじ引きするやつだから、最後までどの席か分からない。
黒板に書いてある座席表に先生がランダムで数字を書いていく。
カイくんが女の子と隣じゃなくてよかった…
そして先生は黒板に書き終わり
教室は途端ににぎやかになる。
─え!いーなーそこ!!
─うわーまたお前かよ!
─この席3回目なんだけどw
そんな声が飛び交うなか…
どーしてっ!!
こうなった!!
隣には不機嫌そうに横を向いているれん。
うわわ…
カイくんは驚いている。
あぁ、
今世紀最大のピンチかもしれない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。