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kuroo tetsuro side.
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12月25日。今日はクリスマスだというのに
俺らは練習試合。2ヶ月前には今日の予定も埋まっていたはずなのに、無くなってしまった。
最近体調が優れず、今日も朝から頭が痛かった。
研磨に声を掛けられても気づかないくらい体調が悪かった。
研磨はすごく心配してくれたが
俺は大丈夫だと言った。
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練習試合が終わり、
研磨を送ってから俺は
冬の澄んだ空気を吸いたくて
公園に来た。
冬の澄んだ空には綺麗な星が並んでいた。
それを見ながら琳華のことを思う。
俺と琳華は2ヶ月くらい前の
春高予選の時に別れた。
今でも彼女のことが好きで
未練タラタラだ。
(カッコ悪りぃな、俺)
体調も悪いし、ずっと琳華のこと考えてるし
いい加減吹っ切れないと前に進めない
自分でもそう感じていた。
ぼーっとしていると声を掛けられた。
そこには七海ちゃんがいた。
最近話せてなかったし
会えたのが少しだけ嬉しかった。
立ち上がるとフラッとした。
そんな俺を彼女は小さい体で
支えながら家まで送ってくれた。
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家でのことはよく覚えていない。
39度近く熱があったと言われて
お粥を食べて薬を飲んだ後
すぐに寝てしまった。
寝ている間
誰かが俺の手を握っていた気がした。
夢の中での感覚なのか
現実でそれが起きているのか
俺にはわからなかったけど。
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朝起きると彼女は居なかった。
時計を見ると朝の10時だった。
テーブルの上を見ると
七海ちゃんのメモとご飯が置いてあった。
"ちゃんと食べてお薬飲んで
ゆっくり休んでくださいね。
無理はしないでくださいね!"
彼女の可愛らしい文字で書かれたメモを呼んで
俺は朝ごはんを食べた。
風邪気味の俺が少しでも食べやすいように作ってくれたようだ。
栄養価の高そうなご飯だった。
家族が帰ってくるのは今日の夜。
それまで俺は部屋で寝ることにした。
食器を片付けようとキッチンに行き、
冷蔵庫を開けると白い箱があった。
七海ちゃんが置いて帰ったのだろう。
そういや俺の部屋に
淡いピンクのマフラーが置いてあった。
昨日の夜、七海ちゃんがつけていたものだった。
俺は彼女の連絡先を知らない。
夜っ久んに電話をかけた
俺はハッとして
急いで準備をした
俺は電話を切った後、急いで家を出た。
彼女の家の前につき、チャイムを鳴らすと
夜っ久んが出てきた
彼女の親と夜っ久んの親は
一緒に旅行に出かけているらしく、
明後日まで帰ってこないようだ。
俺らも猫又先生の都合で
1月からしか部活を再開できないので
彼女に迷惑をかけてしまった分、
何かしてあげたいと思った。
あとは任せた、と夜っ久んに言われ
俺は彼女の部屋に行った。
苦しそうに息をしている彼女。
支えてもらった時、
思っている以上に小さい彼女を思い出した。
(こんな体で俺を…)
彼女はゆっくり目を開けた。
そしてこっちを見る。
そう聞くと彼女はハッとして
起き上がった。
そう言って寝かそうとしたら
彼女はとても素直な子だ。
俺に心配をかけるようなことは
したくないと言って、もう一度横になった。
してほしいことを聞いても
何もしなくていいです。と答える彼女。
俺は何をしたらいいかわからなかった。
そう言って彼女は俺の手を握った。
そう言って困ったように笑う彼女は
どこか儚くて、窓から差し込む光で
眩しく見えた。
少し、ドキッとしてしまった。
俺は彼女の手を握る。
どこかでこの感触を覚えていた。
(昨日…、手を握っててくれたのは彼女だったのか…)
小さくてとても温かい手。
そんな彼女の手の温もりが俺を安心させた。
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俺が振ったあの日以降
彼女は俺を避けていた。
多分、話さないように会わないように
彼女自身が俺から遠かったのだろう。
それが少し、寂しいと感じた。
一緒に家まで帰った時に見た
彼女の笑った顔 _______
夜っ久んの忘れ物を部活の時に届けに来た時の
彼女の少し怒った顔 _______
バイト帰りに俺と出会った時に見せた
彼女の焦った顔 _______
そして
俺に告白した時に見せた
彼女の泣き顔と涙 _______
一つひとつ鮮明に覚えている
彼女を見ていると胸が温かくなる
彼女と一緒にいると時間を忘れてしまう
彼女を守りたくなる。
______________ ああ、きっと
琳華のことばっかり考えてて
俺は彼女のことを見ようともしてなかったんだろう。
彼女の優しさに触れて気づいた。
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少しずつ気持ちが変化していった。
その変化に気づくのが遅かった。
七海ちゃん __________________
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kuroo tetsuro side end...
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!