荷物をまとめ、夜蛾先生のところへ行き、話を済ませてきた
と言ってくれた
誰も会いませんように と思いながら高専を出る
ピタッ と硝子がとまる
硝子は驚いた顔で私を見る
何かを察したのか下を向く硝子
硝子は私を抱き締めて、硝子と別れた
それから、硝子以外とは誰とも会わなかった
実家に帰る新幹線に乗る
お金は今まで貯めていたので結構ある
新幹線の車内に入り、席に座る
席に着き、スマホの画面を開く
凛莉や五条の連絡先を消した
写真のアプリをひらく
五条とのツーショット
撮れたとき、凄い喜んだのを覚えてる
これ以上見ると涙が出てきそうだったので見るのをやめ、電源を消した
アナウンスとともに新幹線が動き始める
新幹線の窓から町を眺める
そう呟き、私は実家へと向かった____
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。