今日は傑と遊ぶ約束をしている
もうすぐ、約束時間
急いで待ち合わせ場所に行く
そして「服似合ってる」と言ってくれた
勿論、嬉しかった
嬉しかった………
でも、五条に言われたときの方がもっと…
って…五条のことは忘れるって決めたのに…
比べるとか最低だな、私
それから、駅前の店に行った
確かあれは、五条と………………
って…
何思いだしてんのッ……
今日、一日中そんな感じだった
五条と全部比べて……
何かあったらすぐ五条のことを思いだしてた
ほんと最低だな、私
傑に最低なことしたな……
誰だって人と比べられたくないと思う
びっくりして傑を見る
「そんな気がした」といって傑は ふッ と笑った
その笑顔は少し悲しそうな…
そんな笑顔だった
「またね」と言って傑と別れる
傑はこれから用事があるらしい
「用事があるなら、別に今日じゃなくてもいいのに」と言ったら
あなたの下の名前と どうしても遊びたくて と____
外は少し暗くなってきた
高専に戻るため人気のない道を歩いて帰った
寮の前に行くと誰かがいた
190㎝はある身長
白色の髪
サングラス
少しの隙間から見える蒼い綺麗な目
五条しかいない__
流石に無視はやめとこうと思い
ペコッ とお辞儀をした
五条が私に話しかけようとしたとき、凛莉がその言葉をさえぎるように来た
凛莉が仲良かった頃のように私を呼ぶ
何を言ってるんだろう
傑とは別に何もない
デートでもないし
凛莉に傑と遊びに行くことなんか、何も話してない
凛莉は 五条 の前で ニコッ と笑いそう言った
きっとわざとだろう
見せつけるように凛莉が五条の腕にひっつく
2人の後ろ姿を見て立ち尽くしていると
凛莉はこっちを見てもう一度 ニコッ と笑った____
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!