五条side
花園が学校を風邪で休んだ日があった
花園から連絡がきて、風邪をひいてることを知った
その日は俺とあなたの下の名前と硝子と傑で
焼き肉を食べに行った
正直、花園がいなくて少し楽だった
高専に帰ろうとすると、硝子と傑が用事があるから別の道で帰ると言った
多分、気を遣ってくれたのだろう
あなたの下の名前と話したいこと聞きたいことがたくさんある
今なら、話せるかもという小さな期待をして
沈黙が流れる
ピタッ とその場にとまる
本当なのか確かめたかった
おそるおそるあなたの下の名前に聞く
付き合ってない、?
気づいたときには声にでてた
自分でも頬が緩むのが分かる
その日の次の日
忘れもしない日
俺はその日任務がいろいろと厄介でいらだってた
花園が空き教室にきてと言うのでそこに行く
中から花園と誰かの声がする
バチンッ
ものすごい音だった
何があったのかと思い、教室に入る
空き教室に入ると花園とあなたの下の名前がいた
花園の頬は真っ赤だった
一瞬で何があったのか悟った
あなたの下の名前は下を向いて黙る
ギュッ と抱きつく花園
この時も、俺はいらだってた
見たことだけで勝手に決めつけていた
そして、俺は____
つい、イライラをあなたの下の名前にあたってしまった
ダッ とあなたの下の名前が教室を出る
冷静になった時、
ひどいことを言ってしまったと気づいた
でも遅かった
それはあなたの下の名前にひどいことを言った次の日だった
謝るためあなたの下の名前を探す
でも、あなたの下の名前はどこにもいなかった______
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。