五条と手を繋ぎ、お化け屋敷の出口まで出た
いつの間にか恐怖心なんか消えてきた
五条が パッ と手を離す
多分、凛莉は知ってる
私がお化け屋敷が苦手なことを
小さい頃、お化け屋敷で迷子になったことを凛莉に話したことがある
あの時は
「私、お化けとか全然大丈夫な方だからッ!
もし、迷子になったとしてもすぐあなたの下の名前のこと見つけれる自信あるよッ!」
と言ってくれたなぁ…
あの時、凛莉はどんな気持ちで言ったんだろう
観覧車を指さす凛莉
「 悟君一緒に乗ろ~ 」と五条に言う凛莉
まぁ、こうなることは分かってた
勿論、五条と凛莉、傑と私に別れた
そういえば、観覧車に乗るのは久しぶりだ
前のゴンドラには凛莉と五条がいる
スッ と傑が近づいてくる
顔、近ッ
傑が手を伸ばす
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おでこに傑の唇があたる
傑が ジー とこっちを見る
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!