____
…………
…………
病室に長い沈黙が流れる
………
……あのさッ
……?
……あなたの下の名前は…俺のこと…どう思ってるの…?
……え、?
…どうって……
あなたの下の名前が救急車まで運ばれるとき、あなたの下の名前何て言ったか覚えてる…?
…え……?
救急車まで運ばれるとき、?
そういえば、私何か五条に言った気が……
……( ハッ
確か…私は___
「 五条のこと好きだった 」
思いだした
顔に熱がこもるのが分かる
きっと私は今、顔が真っ赤だろう
………ッ//
……俺さ ,
………?
あんなにズタズタに傷つけて…つき放してッ…
憎まれてもいいって……嫌われてもいいって思ってた
それであなたの下の名前が生きられるなら…
…………
でも無理なんだよ…
ポタポタッ と五条の涙が布団へとこぼれ落ちていく
あなたの下の名前が好きなんだ
____
………ッ…
離れたくない、傍にいたいッ…
お願い、あなたの下の名前ッ…
もう一度俺を好きになってッ…!
今にも消えそうな声でそう言う五条
五条の目は涙であふれていた
…嫌いになんて…なれるわけないよッ……
…それくらい……好きだもんッ…
…私ッ 五条の1番がいいッ __……
ポロポロッ と涙がこぼれる
…~ッ!!!
ギュッ と五条に強く抱き締められる
1番なんて目指すんじゃねーよッ…
2番も3番もないわッ…
俺があなたの下の名前以上に好きになるやつなんていねーよッ…
……~ッ!!
涙目の五条が フッ 笑う
「 大好きだよ 」
病室の花瓶に飾ってある
アネモネの花が キラキラッ と輝いていた____
𝓮𝓷𝓭 ,
_______________
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。