第7話

赤色
304
2020/07/26 21:42
うらたside
浦田 渉
浦田 渉
...ハァ...ハァ...ハァ...
痛い。体中が痛い。
あの人に散々犯されたからかな。
こんなの日常茶飯事だけど、やっぱり痛い。
五年間、あの人としか話さなかった。
嫌気が差すこともあったけど。
でも...なんでかな?俺はあの人と何かしていると無意識のうちに微笑んでる。
俺、楽しんでるの?あの人と何かすることを?
俺は否定し続けた。あり得ないだろ?俺は彼を嫌いなはずなのに、彼に抱かれていると胸が高鳴るんだ。それに体が抵抗しない。
センラとやっててもこんなことなかったのに。
坂田 明
坂田 明
わたる~ん。
浦田 渉
浦田 渉
...何ですか。
坂田 明
坂田 明
はいご飯。暖めて食べてね。
浦田 渉
浦田 渉
ありがとうございます。
坂田 明
坂田 明
俺風呂入ってくるね~。
わたるんも一緒に入る?
浦田 渉
浦田 渉
いえ結構です。遠慮します。
坂田 明
坂田 明
そ。
浦田 渉
浦田 渉
あ、足の外してもらって良いですか?
食べれませんから。
坂田 明
坂田 明
あぁ。ハイハイ。
カチャ
坂田 明
坂田 明
じゃあ俺入ってくるわ。
数分後、風呂場からお湯の音が聞こえてきた。
何か...モヤモヤするな
浦田 渉
浦田 渉
...あ~あ。
そっと風呂場の前にたち、ドアに寄りかかる。
ここって、以外に広いんだなぁ。風呂場も広い。
浦田 渉
浦田 渉
(さすがにここは暑いな...下着脱ぐか。)
俺はワイシャツを脱いで、半裸になる。
にしても、風呂場の前でこれはきつ...
浦田 渉
浦田 渉
(これ...俺の体?)
鏡に写ったもう一人の自分をみて目を見開いた。
体中がキスマと噛み傷だらけ。
白かった肌も所々紫色になってる。
...やっぱり、彼の...せいでこうなったのか...?
それとも...俺がうまくできなくてこうなったのか?
浦田 渉
浦田 渉
(ワルイノハドッチナノダロウカ...)
気づくと、俺は鏡を割っていた。
その破片を自分の手首に押し当てる。
このまま...横にスライドさせるだけで良い。そうすれば俺は、こんな体みないですむんだ...
少しだけ横にスライドさせ、手首に切り傷ができたその時...




ガシッ
浦田 渉
浦田 渉
えっ...
俺の腕を誰かがつかんだ。
大きな手。暖かいのになぜか冷たい手。
それがあの人のものだとわかるのにそんなに時間はいらなかった。
坂田 明
坂田 明
何してるの...?鏡を割って...何してるの?
浦田 渉
浦田 渉
...死のうと思いました。
坂田 明
坂田 明
どうして?
浦田 渉
浦田 渉
この体、わかりますか?
キスマに噛み傷、ところどころ紫色になってる。
こんなの、ここにくるまでなかった...!
こんなの、俺の体じゃない!
俺...こんな体みたく...
俺の体が大きな腕の中に入った。
俺の背中を、大きな手が支えている。
浦田 渉
浦田 渉
...何のつもりですか?
坂田 明
坂田 明
死なせない...死なせたら、悲しむ人がたくさんいる...
浦田 渉
浦田 渉
俺をさらった時点で気づいて欲しかった。
俺がいなくなって悲しむ人もいるんですよ?
例えば...
...あれ?
例えば...例えば...あれ?
浦田 渉
浦田 渉
例...えば...
目から涙がこぼれた。

誰もいない。親も、友達もいない。
センラだって、俺のことを本気で好いてくれてる訳じゃない。きっとただのセフレだ。
なら、俺は...何のために生まれてきたの?
浦田 渉
浦田 渉
腕...離して...
坂田 明
坂田 明
やだ。
浦田 渉
浦田 渉
離せよ!!!!この手を離せ!!!!
俺はあんたと違って友達もいない!!!!親もいない!!!!
大切な人だって...!
こんな世界嫌なんだよ!だから...離して...
坂田 明
坂田 明
俺が離しちゃったら、君はまた一人になる。
俺もいなくなる。
浦田 渉
浦田 渉
...え?
坂田 明
坂田 明
俺もそばにいられなくなる。
君の心闇を溶かすことができなくなる。
そしたらさらに君は一人になる。
浦田 渉
浦田 渉
坂田さ...
坂田 明
坂田 明
そんなことはさせない。
また力強く俺を抱き締める彼。
あぁ。俺好きなんだ。彼のこと。好きなんだ。
俺が欲しかったのは、きっとこれだったんだ。
お金でも、友達でも、永遠の命でもない。
揺らぎない愛。
カラン...と俺の手からガラスが落ちた。
浦田 渉
浦田 渉
ホントに?本当に俺のそばにいてくれる?
坂田 明
坂田 明
ずっと。
浦田 渉
浦田 渉
約束...してくれる?
何があっても離れていかないって。
坂田 明
坂田 明
約束する。
再び彼の腕に身を任せた。
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さかうらしか最近ないですね...
明日はせんしま書きますね!(←いやせんしまあるなんて初耳

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