センラside
気にするとさらに感情が表に出てしまうから、彼への気持ちは押さえ込めようとした。でも、そう思えば思うほど、熱く燃え上がっていく。
彼の全てが愛しくてならない。
紫に輝く妖艶な瞳も、薄紅色の唇も、透き通るような白い肌も、全てが愛おしい。
でも...分かってるんだ。
彼の瞳には他の誰がが映ってることくらい。
俺が無理に入ることはできないんだ。
プルルルルル
まーしぃのスマホから着信音がなる。
ペコッとお辞儀して廊下に出ていった。
...やってはいけないことと分かってるけど...駄目だ。やっぱり...
俺はそっと廊下の戸を開けて耳をすました。
とぎれとぎれでよく聞こえない。
もう少し、近くで...
そらる...?誰や...?
まーしぃの...愛人か...?
ピッ
ヤバイ。帰ってくる。俺はソファに座り、スマホを開いた。
その呑気な言葉に、俺の理性がきれた。
俺は立ち上がり、彼の腕をつかんで二階に上がっていった。
こんなこと...してはいけないことくらい...分かってる。
分かってるけど...でも...
俺は彼をベットに押し倒した。
まーしぃが顔を背けた。
紫に輝く妖艶な瞳が、さらに強くなった気がした。
俺がまーしぃの顎をつかみこちらに顔を向けさせる。
まーしぃの胸ぐらをつかみ、俺とまーしぃの顔が近くなる。
俺はまーしぃの首にキスをしながら押し倒していく。
抵抗するまーしぃの腕を押さえて、その柔らかい唇にも俺の舌を触れさせた
カクンッ
気絶した彼の綺麗な顔をそっと撫でながら俺は微笑んだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!