~~~あれから1年後~~~
手桶に水を汲み橘家の墓前に立つ。
軽くお辞儀をしてひしゃくで水をすくい墓石に水をかける。
生花、お線香、ロウソク、お供え物をして両手を合わせお辞儀をした。
空を見上げて「ふぅ〜」とため息を漏らして話を続けた。
橘家の墓前から立ち去ろうとすると日傘を差した女性がこちらに向かって来た。
ちひろさんは深々と頭を下げ謝って来た、が一向に理由が分からない。
彼女の少し瞳を潤わせて首を左右に振った。
自分が立ち去ろうとするとちひろさんに呼び止められた。
何やら畏まった感じで話しかけて来た。
彼女の力強い瞳、恭平君も同じ瞳で同じ様な事を言ってました。
2人は本当に似た者同士ですね。
2人の行く末を見たくなりました。
そうだ、いつかこの2人のことを小説にしてみましょう。
面白くなりそうだ。
燦々と輝く太陽を見つめふと思い付き苦笑した。
こうして今年の暑い夏も終わりを迎えた。
~完~
2人は再び出会い末永く暮らしましたとさ。
〜完〜
Kamikamiがそう言うと右手に力を込めた。
すると掌に黒い稲妻がバチバチと火花を散らす。
しかし、Kamikamiは表情1つ変えずに右手を恭平に向ける。
黒い稲妻が恭平を貫いた瞬間。
砂で出来た人形の様に粉々に砕け塵となった。
ちひろは突然の事に腰を抜かし尻餅をつき叫んだ。
Kamikamiはちひろの方を向き再び右手に力を込める。
すると今度は神々しい光をはっした。
ちひろは恐怖でガタガタと体を震わせて瞳に涙を溜めて命乞いをした。
それでもKamikamiは不敵な笑みを浮かべちひろに歩み寄って行く。
ちひろは驚きの表情で見上げたがKamikamiはそれに応えず右手をちひろにかざした。
するとちひろの身体を光が包み込みそして消滅した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。