私達は食事を終えぶらぶらと散歩を楽しみながらショッピングモールへと向かった。
恭平は驚いた、かく言う私も驚いている。
どうやら先程の出来事がまだ頭から離れない。
先程のことを思い出し再び鼓動が早くなる私。
どうしたんだろ私、何か求めてるのかな?
付き合い初めて1ヶ月経つし、ねぇ。
でも、1年のブランクが・・・
「ドスッ」と鈍い音と共に恭平が崩れ落ちる。
私の拳が見事みぞおちに命中したようだ。
恭平がお腹を押さえ苦笑いしながら言った。
今の私は恥ずかしさと怒りと複雑な感情になっていた。
私の顔は真っ赤になってるに違いない。
恭平は恥ずかしい台詞を躊躇いなく言えるものだ。
私はここでふと我に返る。
恭平の後ろの方に見なれた姿が見えたからだ。
恭平は私の目線の先を見る。
私達は顔を見合わせて思わず隠れた。
緑子さんは1人ではなかった、男性と一緒だ。
年齢は20代後半、茶髪にショートヘアで細身でイケメンだ。
明らかに婚約者じゃない。
仕方なく私達は来た道を戻ることにした。
恭平の表情が曇り何が考え込んでいる様だ。
優しい恭平、他人の揉め事まで自分の事のように背負い込んでしまう、そんな恭平私はに少し不安を感じた。
その後、私達は緑子さんに鉢合わせしない様に少し離れた場所でショッピングを楽しみ。
帰路についた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!