私は恭平に手を振ると家に向かって歩き出した。
恭平が私を呼び止めた。
恭平
ちひろ歩いて帰るのか?
ちひろ
だって仕方ないでしょ。
自転車無いし、タクシー使う様な距離じゃ無いし。
恭平
自転車の後ろ空いてるんだけどな。
夜道の1人歩きは危険だぞ。
ちひろ
う〜ん、恭平と一緒の方が危険な気がする。
恭平
何だよそれ。
俺がちひろを襲うとでも思ってるのか?
ちひろ
アハハ。
きょ、恭平が私を襲う?
むり、むり、絶対ない。
ウケる〜。
恭平
あのなちひろ俺を舐めてるだろ。
俺も男な訳よ。
ちひろ
ほほ〜。
じゃ私を襲えるのね。
それなら襲ってみなさいよ。
私は腕を組んで恭平を睨みつける。
恭平
(ぬ、なんと言う、眼力。)
(と言うか、そんなに見つめられたら)
恭平
う、いや、その。
やっぱ無理です。
ごめんなさい。
ちひろ
ふふ、やっぱりね。
恭平はそういうタイプの人じゃ無いでしょ。
温厚で争い事が嫌いな人。
私はそういう所が好きなの。
恭平
へ?
今なって言った?
俺を好きって言ったか?
ちひろ
う〜ん、どうやら恭平は耳までおかしくなったらしい。
超絶美女の私がド変態恭平を好きになる訳無いでしょ。
恭平
ど、ど変態?
誰がど変態だよ。
この性格ブス女。
ちひろ
はぁ〜?
だ、れ、がブスですって!!
恭平みたいに見た目もブサイクでど変態に言われたくないわ。
恭平
見た目がど変態ってどういう姿してんだよ。
教えて欲しいものだね。
ちひろ
恭平の家には鏡が無いのかな〜?
あ、そっか自分の姿見ると気持ち悪くて吐くから鏡無いんだ〜。
恭平
鏡くらい家にあるわ〜。
てか、自分の顔みて吐く奴居るのかよ。
聞いた事ねぇわ。
ちひろ
此処に居る。
目の前に居る。
恭平
いやいや、俺吐いたことねぇし。
ちひろ
自分の姿見てないからでしょ?
私はカバンの中から手鏡を取り出し恭平に見せた。
恭平
おいおい、そこまでするかよ。
そう言い恭平は鏡を覗き込み、髪を整える。
恭平
う〜ん、いい男だ。
ちひろ
はぁ〜?
何処をどう見たら男前に見えるのよ。
如何にも、ど変態、て顔してるでしょ。
だから吐きなさいよ。
恭平
ボケ〜。
誰が吐くかよ。
もう、付き合ってらんね〜わ。
お疲れ様でした〜。
そう言うと恭平は自転車を漕ぎ出そうとした。
いいねして作者を応援しましょう!
第8話 初恋の人
が好きなあなたにおすすめの小説
コンテスト受賞作品
もっと見るショートドラマ&アニメーション原案募集コンテスト
公式TikTokの注目動画
もっと見るチャレンジ小説
もっと見る- ノンジャンル
「百花繚乱」と私。〜悪の組織と秘密の任務〜
━━「百花繚乱」って知ってる? ──え、あの都市伝説って言われている? ━━そう、悪の組織から私たちを守ってくれるっていう組織 ごく普通の高校生、楠若葉。ある日、都市伝説とも言われている「百花繚乱」のリーダーからスカウトを受けて────!? これは、私達が悪の組織に立ち向かう物語。 表紙画像 菜月様 https://mobile.twitter.com/0802_na_ 2022/5/17 シルバーランク ありがとうございます! 2022/5/24 ゴールドランク ありがとうございます!
- 恋愛
ホンモノの恋
桐谷侑樹(きりやゆず)は、チャラくてモテる。なので、女遊びも激しく、本気で恋などしたことがなかった。しかし、ある雨の日に、いじめられっ子の女の子と出会い…!?
- ファンタジー
この世界を君が紡ぐ
ある日。一つのことを除き、記憶を無くした主人公が目を覚ました。 その主人公は、自分には「ハイジャ」という名の姉がいた。それだけは覚えていた。 主人公は、無くした記憶を取り戻しながら、様々な種族と交流し、姉を探す旅に出る。 ────────────────────────── 【プロローグ】 第1話〜第8.5話 第1章【アウィス】第9話〜 ────────────────────────── 表紙とアイコンのイラストは自作です 4/2 チャレンジ称号獲得!ありがとうございます!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!