私は不審者に近づき顔を覗き込む。
不審者は少し照れた様に頭を掻き出した。
私はすかさず。
ストーカーは周りが気になったのか周りを見渡すと道路の反対側におばさん2人が此方を見てヒソヒソと話をしていた。
ストーカーはおばさんに向かって話し掛けた。
するとおばさん達は逃げるように去っていった。
ここでストーカーは(はっ)と我に返り顔が青ざめる。
私はスマホを取り出し電話をする素振りを見せた。
ストーカーは土下座して何度も頭を下げて顔の前に両手を合わせ私を見上げた。
恭平は立ち上がり膝のホコリを払いながら笑みを浮かべる。
声がする方を向くとそこには警察官が立っていた。
私達は事の事情を話した後、こっ酷く叱られ
た。
私達はお互いに睨めあった。
私達はお腹を抱えて大声で笑った。
こんなに笑ったの何年ぶりだろう。
ふと、我に返ると頬に暖かいものが流れてるのに気付いた。
あれ?私、泣いてるの?
涙が次から次へと溢れてくる。
久しぶりに心の底から笑えたからだろうか?
哀しみで凍り付いてしまった私の心が少しだけ溶けて暖かくなった気がする。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。