姪っ子からの電話を切って、
部屋を見渡してみる。
玄関の傍に見覚えのある、
スーツケースが置いてあったので、
部屋の中へ移動して中を覗いてみた。
お土産って買ってあるのかな…。
何も覚えてないけど…。
ていうか私って、
日本に帰ってきてスーツケースの中身を開けないまま、パソコン前で寝てたって事かな。
スーツケースの中の洋服を取り出しながら、
溜息を吐く。
あなたは紙袋を取り出して、中身を確認する。
紙袋の中には、可愛いらしい男の子の写真と、カードみたいなものが入ってあった。
アイドルとかかな?写真の後ろに韓国語で何か書いてあったが私には全然読めなかった。
とりあえず何も思い出せそうにないので、
実家に帰る準備をしよう。
お姉ちゃんやお母さんなら、私の最近の行動をよく知っているかもしれないし…。
実家に帰って早々に姉とナナに見つかった。
ナナは紙袋を持って、嬉しそうにリビングの方に走っていった。あなたは、お土産が間違っていませんようにと心の中で祈ってみた。
記憶が無い事を相談しようかと思って、話しかけようとした瞬間、奥のリビングから雄叫びが聞こえてきた。
ナナが興奮しながら、一枚の写真を見せてくる。
あなたは写真をじっくりと見たが、
やっぱり思い出せない。
初めて見る顔だよね?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。