頭が割れる様に痛い…。
ゆっくり目を開けると、
薄っすらとした光がカーテンの隙間から見え隠れしていた。
重たい頭をゆっくりと持ち上げると、
机の上にあった携帯電話を確認しようと手を前に伸ばした。
え?
手を伸ばした自分の指先に見慣れない、シルバーぽい指輪をしている事に気がつき思考が止まる。
何これ…。
見慣れないその指輪を見つめて、
不思議な感覚になる。
いつ指輪を買ったのか、
それとも誰かに貰ったものなのか…。
しばらく目を瞑って考えてみたが、
全然何も思い出せない。
……あっ!
今、何時⁉︎
私は慌てて携帯電話を手に持ち、
時間を確認した。
時刻は5月1日 5時15分だった。
そっか、GW連休中か〜。
私は会社に遅刻したかと思っていたので、
肩の力が抜けて座っていた椅子にもたれかかる。
そして、目の前のパソコン用の大きなモニターに、自分の姿が映りこみ、思わず目を丸くした。
「嘘っ!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。