(Watanabe)
やる気満々できたのに、頭の中は朝の事ばっかりで、難しめのダンスに手こずってしまう。
いつもと違う俺に違和感を感じたのか、康二に体調の心配までされた。
はぁ、もっとちゃんとしなくちゃな。
そんな事を考えてる間にもどんどんレッスンは進んでいく。
俺も必死になって踊った。
サビに入った時、佐久間と目黒で歌う所があるんだけど、今日はいつもより距離が近い。
待って、このパートの時の二人こんなに密着してたっけ!?
今の、佐久間から近づいて行ってたよね!?
衝撃だわ。
簡単なところでもミスしてしまう。
俺どんだけ佐久間の事好きなんだよ…。
レッスンが終わって帰り際、
俺の方が先帰って、家で佐久間を待つ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!