< リクヲ side >
そらは慌てて待ち合わせ場所へ向かったが、
すぐえいちゃんに連絡が着た。
「見当たらない」と。
みんなの表情が険しくなっていった。
すっかり真っ暗になった空。
森の中で彷徨うあなたを想像するだけで冷や汗が出る。
帰ってくる可能性も考えて、
みっくんと由奈さんはバーベキュー場に残り、
他の人は探しに行くことに。
探す事1時間。
そらは肘に手を添えながら、指を噛む。
久し振りに見る悪いクセ。
罪悪感と不安でいっぱいなんだろうな
僕はそう言いながら彼の手を下ろす。
そらは自分の手を見て、苦笑いをした。
そう自分に言いつけるしか無かった。
見つかる。すぐに見つかる
そうして2時間がたった今、
彼女は未だ 森の中。
外は真っ暗で、
携帯でライトをつけないと
なにも見えない時間になった。
心臓の音がバクバク聞こえてくる。
どこにいるの
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!