☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
6月30日 フウラが自殺未遂を起こした日
フウラの人生は自由なんてなくて
痛さ、辛さ、苦しさで溢れていました
そんな希望を見いだせないフウラに私は出会いました
第一印象は可愛らしいお人形さんです
今思えばフウラは人形と思わせる程
空虚な感情を表に出していたのかも知れません
何時もボロボロで
本当に辛そうで、壊れてしまいそうで
私は怖くなりました
フウラが居なくなるのではないかと
そこでフウラが味わった事ない程の幸せを
味わって欲しい、感じて欲しい
その一心で私は2世帯住宅で暮らさせてあげることを
必死に頼み込みました。親は直ぐに承諾してくれました
フウラは叔父と距離を置くことは出来ましたが
離れることは出来ませんでした
「唯一の肉親だから……」
それが口癖でたまに叔父の家に行ってるようでした
帰ってくる度にボロボロになって泣き叫んで
見てるこっちが耐えられなくなるほど
フウラの扱いは酷いものでした
私のことをダシに使われて……
尚且つフウラはそれに従って
自分だけが助かっているという状況
そん中私も襲われた、血が流れて
痛くて痛くて気持ち悪くてでもフウラの為だから
その考えがフウラの首を絞めてしまった……
フウラは泣きながら致死量のカフェインを取り
たくさんの薬を飲んだ。
私は隣の部屋で、フウラの部屋から異変を感じ
直ぐに部屋に駆けつけた
意識はあるけど、朦朧としすぎてる
フウラがそこに居ました
慌てて救急車を呼んで。フウラは助かりました
それでもフウラは死のうとして
目覚めた病院のベットの上で
舌を噛み切って死のうとしていた
フウラに生きる理由が無いなら
理由を作ってしまえばいい
フウラが私をダシに使われたら従うなら
そうしよう……自分自身をかけて
そう言い放った
今フウラは生きている。
思ってるより強くもなくクヨクヨするし
泣き虫だし。不健康な生活してるし
それでも生きている
幸せを見い出せたようで
笑顔が増えた気がします
今日フウラにそう言われて私は
本当に良かったな……そう思ったのでした
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。