佐久間side
「 はぁっっはぁっ…ったぃ 。 」
深澤「 ん 、だいじょーぶよ佐久間 。 」
「 おなかっいたいっ 。 」
阿部「 いたいねぇ 。 」
ぎゅうっと絞られるような痛みを放つ俺のお腹は
ぐるぐるとかき乱されてる感覚もあって 。
ごろごろと音が鳴っていてちょっぴり恥ずかしいけど
それよりもお腹が痛いことに必死な俺 。
ス「 サービスエリアありました!! 」
深澤「 まじすか?!
あとどれくらいか分かりますか?? 」
ス「 あと2キロぐらいかと…… 。 」
阿部「 2キロか… 。佐久間 、頑張れそう?? 」
佐久間「 わかんないっっ… 。 」
深澤「 だよなぁ 。 」
もうお腹痛すぎてよく分かんないし 、
我慢するのもほんとにあと少しで無理 。
でもいい年した大人が漏らすわけにわいかないから
頑張らないといけなくて 。
「 んったぁ 。 」
前屈みになり自分の右手でズボンを掴んで
お腹周りのTシャツをぎゅっと掴む 。
阿部ちゃんが背中さすってくれたり、
お腹も同じようにしてくれたりしてくれて
少し安心するけどまた波が襲ってくると
そんなの意味なくて 。
佐久間「 んぅ…… 。泣 」
深澤「 あー泣くな泣くな 。 」
一つ前の席に座ってるふっかが
ハンカチを渡してくれて 、阿部ちゃんが受け取って
拭いてくれる 。
ス「 つきました!! 」
「 着いた 。 」のワードに安心して
緩みそうになるのをぎゅっと締める 。
阿部「 行こっか 。 」
阿部ちゃんに支えられるも 、俺自身は前屈みに
なってお腹抱えてどっからどう見ても
お腹痛い人って感じで 。
阿部「 気にしないでいいからね 。 」
芸能人でもあり 、みんなの前でキラキラする
アイドルでもあるから周りからの視線が痛い 。
そんな俺に気づいたのか優しく声をかけてくれて 。
あぁ優しいなって 。
阿部ちゃんが隣にいてくれて良かったって
思いたくもなるよね 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。