第6話

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2022/03/03 09:44










阿部 side



トイレに来て個室に入れてあげて

ズボンを下ろせば 、佐久間の腹痛の原因である奴が

痛々しい水音をたてながら出されていく 。



気にしちゃうかなって思って

外に出ようとしたんだけど 、俺の手を掴んでるから

口に出さずとも分かるよって手を重ねてあげる 。



佐久間なりの行って欲しくないっていう思いを

人へ伝える方法 。



こんなことは本当に稀で熱の時とか今日みたいに

お腹痛いときとかでも10%あるかないか 。



だからこそ 、本当に辛いんだろうなって 。







佐久間「 んっはぁっいたいっ 。 」







勢いを落とさずにどんどん出ていく 。







「 痛いね痛いね 。 」







声をかけることしかできないのが

なんとも心苦しい 。







「 ごめんね佐久間 。

こんなことしかできなくて 。 」







佐久間のお腹を摩ってあげることと

握られた手を強く握ってあげること 。



このふたつしか出来ない 。







佐久間「 っふぅ… 。っぅぅ… 。 」







先程から苦しそうな声を出す佐久間の顔色は

まぁ最悪で 。







佐久間「 あべちゃっ吐きそっ 。 」



「 え 、まじか 。 」







生憎袋がなくて 、またまた我慢しないといけない

状況にさせちゃった 。







「 ちょっとふっかに電話する!! 」







電話をかければワンコールもしていないうちに

出てくれたふっか 。







「 どーした?? 」







多分 、いつでも対応できるように

ずっとスマホを持っててくれたんだろうなって 。







「 佐久間 、吐きそうって言ってて 。 」



深澤「 うえっ?! わかった!! 」







欲しいものとか何も言ってないのに

ブチっと切られた電話 。



もう一回かけ直そうと思った時に

コンコンと扉が叩かれる 。







深澤「 ごめん俺 。色々持ってきた 。 」







その持ってきたって言われるものの袋の中には

下痢止めや胃腸薬 、吐き気止め 、

そしてそれらを飲むための水 。



んで肝心な袋も5枚くらいと

十分な量が入っている 。



ほんっとに気が利くやつだなふっかは 。







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