岩本side
阿部「はよーございます」
そう入ってきた時から若干だけど顔色が悪かった阿部
誰も声かけないってことは気づいてないと思うから俺もスルー
なんだけど、阿部、限界なんじゃないかってところまできてるとおもう
今、俺の隣に座ってて窓にもたれかかってる阿部の息遣いすっげー荒い
「阿部、腹痛い?」
「ん、だいじょぶ」
なんとなく前屈みになってるからお腹痛いのかなって直接押さえてるってことはないけど、分かるものはわかるから
「無理すんな」
「誰にも言わねーから」
阿部「ん、」
阿部の性格上、自分が弱ってるところを知られるのは嫌かなって
幸いみんながワーワー喋ってるから俺たちの会話に目を向ける人なんていない
「下してる?」
阿部「朝、ちょっと」
「ん、そっか」
「今は?」
阿部「だいじょーぶ」
「分かった」
阿部の口から出てきたわけじゃないけど、多分コイツ何回もトイレ行ってんなって
体力消耗してると思うから、少しの間寝かせねーとな
「寝れそう?」
阿部「無理っお腹痛いっ」
「そーだよな」
お腹痛すぎて寝れないってコイツ、バレるとかバレないの前に、こんなの絶対バレるっしょ
「あったかいの買おっか」
阿部「やだっ」
「いいって、バレねーようにすっから」
どんだけバレたくないんだよって思いながらも、マネにコソコソっとコンビニ寄って欲しいことをお願いした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。