中島side
「いてぇ」
あれから暫くして気胸も治ってきたんだけど、次は逆の胸が痛い
これが再発ってやつ?
俺が?
でも、再発はなりやすいって言ってたか
「あー最悪」
せっかく耐えてきたのに、また耐えないといけないの?
「ふうっはぁっ」
しかも、これ一回目より絶対重いよね
息苦しくて胸がすっごい痛い
「んぁー!」
自分でもびっくりする程の奇声が出る
「やばいでしょっ」
痛む胸を押さえながら必死にスマホを取り救急車を呼ぶ
「胸がっ痛いっ」
「〇〇区っ〜」
何言ってるかは分かんないけど、俺の家の住所と病状とを伝わるように俺なりに伝える
「やっべぇ、、、」
「きくち、、、」
スマホを手に持ってたから、履歴の1番上にある風磨と書かれた電話番号をタッチする
「きくちっ」
「たすけてっ、、、」
取り敢えずSOSってことは言えた
家の鍵を開けていないことに気づき床に這いつくばって玄関へと移動してガチャっと鍵を開ければ、そこでそのまま意識を手放した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!